
boid日記 2007年2月
text by 樋口泰人
2月24日(土)
ついに事務所物件を決める。
まだ、決定ではないが、ほぼ決定。
本日は、いくつかいい物件が出てきて、これまでとは違う、どれが一番いいか、というちょっとハイクラスな悩みとなったのだが、決め手は、ガラス張りになった北西方向の角から展望される、驚くような風景。
その1点が全て。
boidスタッフも興奮していたし、その他はまあ普通の事務所な感じではあるが、そこをどう活かすかで事務所の風景も変わってくるだろう。
ただ、ちょっとさすがに凄い風景なので何かとんでもないことを呼んでしまうのではないかというおそれもあり、家に帰ってから占い師に、それを伝えて再査定してもらう。
と、「人の流れは良いが、金もどんどん流れていく」とのこと。
高貴ではあるが貧乏な人生、というお言葉。
むむむ。
金がどんどん出て行かないようにするためにはどうすればいいか、といういくつかの忠告をいただく。
まあとにかくこれで、物件探しからは逃れられそうだが、そうなったらそうなったで、収納はどうする、デスクはどうする、パソコンはどうするなどなどの決定事項があれこれ。
果たして無事、3月19日に開業できるだろうか?
あと、ピクシーズは、シアターNでの追加上映が、3月3日(土)から2週間、行われる。
シアターNも、映写室にミキサーが入っているので音の調整ができる。
環境が違うし部屋のサイズが小さいので、バウスの音とは違った音になると思うが、それはそれで相当な音で上映が出来そうである。
見逃した人、バウスまではさすがに遠かったという人、是非この機会に。
すでに来週の話なので、周りにもし、そのような人がいたら、一声かけてください。
うーん、あと1週余裕があると思っていたのだが、2月は28日までだったのだ。
来週がシアターNでの初日だなんて、分かっていたのに全然分かっていなかった・・・
2月23日(金)
本日にて『LQL』バウスの爆音3週間が無事終了。
無事、というか、予想以上のヒットとなり、本日は関係者みんなニコニコの最終日となった。
というわけで、本日は音量アップ。
満員の状態だと、相当音量を上げても気持ちよく聴くことができる。
しかしこの3週間は、日々全く落ち着かず、こんなことでは社長にはなれないと思うばかりであった。
その分、非常に濃密な時間を過ごせたような気もしている。
時々こういうことができたらいいなあと思うが、今回は結果的に大勢の人に駆けつけていただいたからいいものの、そうでない時だって十分にあるわけで、それを考えると本当に恐ろしい。
大きな会社なら、それは忘れて次に進めばいいのだが、個人経営だとそんなことは言っていられない。
忘れるどころか、思い出したくないものから毎日攻められ続ける羽目になるのだ。
とにかく、今回は大成功。
次はまず、boid事務所のための物件探しである。
物件の前にいい不動産屋を探さねばならない、という話が出るほどどうしようもない不動産屋にぶつかったりして本当にめげていたところへ、中原から救いの知らせが。
明日、見に行く物件がダメなら、それにすがろうと思う。
本日は、バウスの前に、イマジカにて、3月に発売になるゴダール『選ばれた瞬間』の音チェックにつき合う。
やはり、フィルムとDVDでは、かなり音が違う。
広がり、奥行き、コントラスト、低音と高音の延び、などなど。
単に映画を観てしまうとものすごく面白く、ゴダールの音の歴史にもなっていて興味深いことこの上ないのだが、フィルムの音と比べてしまうとまだまだこんなものじゃないと思ってしまう。
という、まあ、DVDでじゃあどうしろと言うのだ、と言われかねない大雑把なことをイマジカの担当者に伝える。
再生装置の問題や部屋の環境問題など、そういったことまで考え始めると単に、これはどうにもならないと思うしかないのだが、それでもできる限りのことを、というフランス映画社の姿勢は、ここでも健在である。
しかしこうなると、やはりどこかで一度、爆音上映をしなければならないだろうと思うばかり。
とにかくこの1本を見るだけで、ゴダールの音の歴史がはっきりと分かるし、それが音響技術の変化と共にあることもはっきりと分かる。
その最新技術とどのように向き合い、それを受けて何を作ろうとしてどうなったか。
そういったことをたった100分ほどで見ることができる。
別の意味の「映画史」も、そこには詰め込まれているというわけだ。
いずれにしても、今後の課題は増え続けるばかり。
まずはとにかく足下となる物件を固めないと。
しかし、ジョアンナ・ニューサム・ライヴ90分の立ち見の余波で、腰が辛い。
ピクシーズは座れる席が見つからなかったため、出たり入ったりしながら休み休みの堪能となったことが心残りである。
日曜日のオンエア・ウェストには行けるだろうか・・・
普段は腰痛持ちではないのだが、やはりちゃんと鍛えないと行けないなあ。
そういえば先日、漢方で金を使うならジム通いで金を使った方が健康にいいのでは? という指摘を受けた。
確かに。
2月21日(水)
map 小田君に招かれ、オペラシティの近江楽堂で行われたジョアンナ・ニューサムのアコースティック・ライヴへ。
私の耳のためにはこちらの方が、という計らい。
最初は少し音が小さいかなと思っていたのだが、人間の耳とは不思議なもので、すぐにその小さな音に慣れる。
そうなると音が身体を柔らかく包み始め、彼女の特異な歌声がするすると身体の中に入ってくるのだ。
CDだけを聴いていると、どうして彼女はあのような声であのように歌うのか、うまく想像がつかなかったのだが、こうやってライヴを見ると本当によく分かる。
椅子に座り、ハープを弾きながら歌うというその姿勢から、あの声と歌が生まれる。
彼女が座り、ハープが置かれるその土台・足下から立ち上って天上へと舞い上がる音。
音楽を「聴く」という行為が、そんな音を「呼吸」する行為だということを、実感する。
以前、巻上公一氏が配給したホーメイのドキュメンタリーでも、現地の演奏会場に集まった人々が音を聴きながら口を広げ、その口に向かって手を扇いで、空気を送り込んでいた姿が強く印象に残っているのだが、そんな行為を思い出した。
その意味で、彼女の音楽は誰にでも出来る音楽だと思った。
「誰もができる」ために、常に個体感を移動し、引き継がれ、継続され続ける音楽。
明日、誰かが違う場所で同じようなことをやっていても不思議ではない。
だからこそ、彼女が日本に来てこうやってライヴを行うことが重要なのだ。
こうやって畑が耕される。
何だかとんでもない大きな豊かさを受け取った気がして、1時間30分ほどをたち続けると、さすがにもう腰が限界で歩くのも辛いのだが、身も心も軽くなって帰宅。
25日(日)のスモッグとのライヴは、前売り券は売り切れているものの、当日の入場は可能だろうか?
興味ある方は、オ・ウエスト(03-5784-7088)へ、問い合わせていただきたい。
2月17日(土)
本日はついに、事務所物件探し。
都内某所。
昼過ぎからのこのこと出かけていった方が悪いのだが、どこの不動産屋も結構な混みようで、しかもこちらの予算の低さとそれにみあわない望みの高さにて、なかなか物件まで至らず。
ネット上で探していた目当ての物件はほとんどが先約済み、というまあ、物件探し初心者の陥りがちな事態となる。
とはいえ、いくつか見て回ったりはしたのだが、まあ、悪くはないものの、どれも「いかにも」なワンルームの部屋で、日々ここで爆音企画やら何やらを妄想するには少しおとなしすぎ。
パンチが欲しいのだが、それを何と言って不動産担当者に説明したらいいのか。
とある不動産店では、耳が悪いのか人の話を聞こうとしないのか、いずれにしてももう相当な年齢の方が、猪股や私のそれなりの大声での質問にまるで答えず、一方的に話を続ける。
その予算でその広さでは物件がないというのを、繰り返し繰り返し。
他店では、物件リストが図面付きのコピーや印刷物としてファイルに保管されていてそれをあれこれ取り出したりしてくれるのだが、その店では、手書きのノートに図面もなく、簡単なメモだけが2,3件書かれているのみ。
この不動産屋は一体商売になっているのだろうかと、いらぬ心配までしてしまう。
でもまあ、本日は、そのオヤジが一番のインパクトを残したのであった。
しかし、我々の質問は本当に聞こえていなかったのであろうか?
2月14日(水)
本日は夕方から、某有名総研会社にて、某データベースの打ち合わせ。
しかしまあ、こういった立派なビルに入るとそれだけで妙に緊張してしまうから、育ちの悪さは隠せない。
しかもロビーにたどり着くまでに迷っているという始末だし。
映画のように例外が多発するデータベースのシステムを作るのは本当に大変である。
これまでは、その場その場の判断で、手作業でやっていたのだが、プロジェクトが大きくなるとそういったことができなくなり、「誰もが扱える」ということが基準になる。
それをどうやったら問題なく行えるか、ということが簡単そうで難しい。
誰もが簡単に扱えるようにした挙げ句、やたらと複雑で、分かりにくいシステムになり、扱う人は結局そのシステム自体に扱われるしかそのシステムを使うすべはない、という状態。
そうならないためにはどうしたらいいのか・・・
ピクシーズは好調が続く。
今週は水曜日の時点ですでに、第1週目の動員合計とほぼ並ぶ。
「仕事」として考えると、こういった日々の動員の変化にいちいち動揺してはいられないとは思うのだが、やはり心配なものは心配である。
そして、何はともあれ多くの人が来てくれるのは嬉しいものだ。
それがすべてではないが、そういった喜びと共に上映ができるのは本当にありがたい。
予算が少なかった、ということもあるが、パブがどうのターゲットがどうのと細かいことをすっ飛ばして、この映画のために何をするべきか、ということだけで宣伝・上映を進めることに常に協力してくれたキングレコードに感謝。
まあでも、ここで気を緩めると、何が起こらぬ共限らないので、これくらいにしておく。
そういえば昨日の新聞記事で、『叫』の宣伝のために若槻千夏が全員赤いコートを着た10数人の女性たちを引き連れて渋谷の町に登場した、と。
これはちょっと見てみたかったなあ。
ついでに小西真奈美も登場してもらえたら、私としてはもっと嬉しかったのだが。
でも、映画の中で赤いコートを着るのは・・・
2月13日(火)
当たり前といえば当たり前であるが、物事は予定通り進まない。
半分くらいしかうまくいかないだろうなと思って覚悟していると、さらにその覚悟を超える事態が起こったりする訳だから、覚悟なんてしないに越したことはないのかもしれないと思う。
いずれにしても、大した覚悟じゃないわけだし。
困ったら泣けばいいし、誰かに助けてもらえばいい、とは思うものの、この不規則な睡眠パターンだけは本当にどうにかならないかねえ・・・
小学校の時からずっとこうだから、もう自力では治しようもないんだけど。
やはり、漢方再開か。
というわけで、本日も、さまざまな予定が自動的にキャンセルされて夕方となる。
中原から連絡が来て、CD用の追加の曲ができたというので、データを受け取りに新宿に。
西口にある某CD・レコード・ショップのデッキを借りて再生。
素晴らしく繊細な音づくりに驚く。
本当に小さな音、微かな気配を、前面に出ている音の背後に響かせるその手法に感動する。
後から訊くと、すべてアナログ録音で、音をいくつか重ねるだけでも相当な苦労があったとか。
もちろんそんなものは、デジタルでコピペしてしまえばいいはずなのだが、そうではないのだ、というのがこの音なのである。
聞こえているか聞こえていないのかよく分からない小さな音は、確かに録音されてはいるが、実はその手作業の隙間から聞こえてくる音なのかもしれない。
今、みんな、前面に出てくる目立った音しか聴かないから、そうではないことをするのだ、という中原の言葉は、音楽についての発言であると同時に映画についての発言でもあるだろう。
現代日本映画のほとんどを見る気が失せてしまうのも、こういった部分がすべて消えてしまっているように思えるからだ。
そしてアルトマンの遺作が、アルトマンにしては悲しすぎたりしつこさが足りなかったり不満はあるもののやはりこれは映画だと思えてしまうのも、この点においてである。
ほんの一瞬、画面に映っただけですぐに視界から消えてしまうその儚きものたちが、世界のすべてを作っている、そんな風に思える。
映画はそんな豊かさの宝庫であるはずなのだ。
『ハート・オブ・ゴールド』の舞台に立つ老人たちの顔の皺の一本一本にも、そんな豊かさが刻みつけられていた。
7月にはなんとかして、この2本に『ウォーク・ザ・ライン』を加えたオールナイトができたらと思う。
そのためにやらねばならないあれこれを思うと、まあ、それだけで眠れなくなるのだが・・・
2月12日(月)
頭に来るほど体調が悪い!
実は、さすがに金がなくなって高い漢方薬を仕入れるのも憚られ、10日くらい前から飲むのをやめていたのだ。
するともう、この体たらく。
眠りたい時には眠れず、起きていなければならない時に寝てしまう。
いい大人の生活ではないが致し方なし。
本日も5時から渋谷にての、3月に行う冨永とのトーク・イヴェントの打ち合わせに30分遅れ。
皆様申し訳ない。
しかし驚いたのは、そのイヴェントが3時間もあること。
いや、引き受けた時は30分から1時間くらいかと思っていたんだけど。
あのとき、3時間と聞いてたら、たぶん断ってた・・・
でもまあ、今更どうにもならず、グズグズダラダラとやるしか無し。
いずれにしても、冨永がどんなネタを持ってくるかを楽しみに待つ、というところか。
それが3月21日で、その4日前の17日には、americoのライヴと一緒に、何故か、トーク・ライヴ、というのを行う。
高円寺・円盤にて。
トップページの「other events」の欄を参照。
内容は、まあ、boid日記を読んでいる人にはお馴染みの、フィル・スペクターから『ブラザー・ベア』までを、「エコー」という切り口で一気に語る、というもの。
かなり強引な話になるので、そこへ湯浅さんからあれこれ突っ込んでもらう、という流れになるはず。
単に横道にずれていくことになるかもしれないが、まあ、それはそれ。
そこで出し切れなかったネタを、21日の冨永とのトークに持っていくことになるかと。
そうそう、打ち合わせの帰り、新宿駅のホームを歩いていると声がかかる。
誰かと思ったら(杉山)彦々である。
この冨永組のチームワークはいったい何だろうか?
2月11日(日)
金曜日からピクシーズの動員がどんどん延びてきて、1週目より数字がグンと上がってきている。
3連休、ということもあるのだろうが、理由はどうあれ、多くの人がやってきてくれるのは嬉しいものだ。
http://blog.livedoor.jp/shintaroll06/archives/50963031.html
こんな嬉しい書き込みを見つけた、という報告も来る。
同じような書き込みが、ネット上のあちこちにあるらしい。
無断引用させてもらうが、MIXIでは、
こんなに緊迫したドキュメントは初めて見ました。
演奏のシーンは何度か奇声や拍手をしそうになりましたが、
ここは映画館なんだと自粛(笑)。
一昨日は、4月11日発売の『断絶』DVDのデラックス版の付録である豪華ブックレットの仕上げで、すべての原稿を整理したのだが、その中の青山の原稿に、5月の爆音企画のヒント有り。
いくつも企画が重なってどうしたものかと頭をかかえていたのだが、この原稿ですべて整理が付く。
いやあ、こういう瞬間は嬉しい。
大げさに言えば、世界が変わる瞬間である。
原稿を読む醍醐味。
予告をしておくと、日本には思い切り数少ないと思われるロバート・ゴードンのファンの方々。
ついに5月の爆音に登場するかもしれません、ロバート・ゴードン。
まだ、許可申請をしたばかりなので、本当にできるかどうかは分かりませんが。
あと、遅れていた中原の2枚組CD、限定1000枚は、4月20日発売。
ほぼ、これで決まりです。
お楽しみに。
2月7日(水)
さすがにオールナイトの疲れはきついねえ。
2日ほど、ほとんど廃人状態で、ぐたっとしていた。
と思うと、「boidサイトがダウンしている」という連絡が次々に。
どうやらサーバ・トラブルで、夕方くらいまでダメだったみたい。
主の体調に合わせる従順なサーバ。
本当はこういう時こそ主を助けるべく懸命に立ち働いて、オールナイト後も主は元気いっぱいのように見せるのが、金で雇われたもののするべきことであるように思うのだが。
オールナイトの後、いろんな方々から、その感想をいただいた。
こういった感想が次への励みになる。
一方、ピクシーズは微妙に停滞中。
といっても、『レッツ・ロック・アゲイン!』や『ボーン・トゥ・ブギー』よりもいい数字なのだからなんの文句はないのだが、たぶん、前売りが好調だったことやあちこちから聞こえてくる反響がよかったので、つい調子に乗ってしまったためでもあるのだろう。
もうちょっと何とかすれば、大絶賛爆音公開中になるはずなのに、という思いばかりが強くなる。
いずれにしてもこの映画は、ファンのためだけの映画でもなく、お勉強のための映画でもなく、いたずらに物語を作って感動を煽る映画でもなく、ただ目の目にある現実を見つめ、そこで起こっていること、そこでしか見えてこないもの、その一瞬に込められた思いや歴史を映そうという映画である。
つまりごく真っ当なドキュメンタリー映画なわけで、その微妙な立ち位置をキープし続ける製作者たちの力によって、対象であるピクシーズの抱えているさまざまな世界がそこにぼんやりと立ち現れてくる、という構造になっている。
そういったシンプルな力とその大切さを、多くの人に知ってもらいたいのだ。
ただやはり、今の日本では、この映画はこんな映画だからこの手の人たちに見せるとか、この手の人たちしか見ない、というような予めの棲み分けが無意識の部分でも行われているようでもあり、我々の生活全体がすでにTSUTAYAの棚と同じようにあっさりと分類されているような気もして、ピクシーズも知らず、パンクやロックにも興味もない人が何となくこういう映画を観てしまうような機会はほとんどない。
こちらもつい、「爆音」とか言ってしまうので、余計に敷居が高くなるのかもしれない。
……、などなど、愚痴を言い始めるときりがなく、要するにいい映画だから今のうちに見に来てください、ということなのであった。
それで、「おお、確かに」と思ったりしたら、まわりに言いふらして欲しいのである。
あと、入魂のパンフレットを読むと、さらにその世界が広がることこの上なし。
通常、この規模の映画では絶対にパンフレットなど作らないのだが、そこはなんとかしてアメリカの音楽の奥行きを知って欲しいという、こちらの欲望も絡まり・・・
今にして思えばパンフを作る金でマスコミ試写を何度かやっておけばもっといろんな形で告知できたのに、どんなにいいパンフを作ったって多くの人に見てもらわねば始まらないじゃないかと、そんな当たり前のことに気づきはするのだが。
ただやはり、日々カタログ化するばかりの雑誌の群れにもの申す、という意味もあってのことでもあるので、この暴走がいつか何かにぶち当たれば、と思うばかりである。
ついでに6月に爆音公開予定のカーネーションのドキュメンタリーでも、さらに、こちらはちょっと大人な形での暴走をする予定なのでお楽しみに。
2月4日(日)
昨日のピクシーズはほぼ満員の立ち上がり、オールナイトは開場40分くらい前には満員札止めになってしまう。
今回のオールナイトは、私の病気もあっていろんなことが遅れ、バタバタとしたままここまで来てしまったのと、シークレット上映、というのがどう受け取られるかがまったく分からなかったので、もしかすると関係者ばかりしか来ないのではないかという不安に怯えていたのだが・・・
というわけで、来場したのに入場できなかった多くの方々、また、窮屈な環境で一夜を過ごさざるを得なかった方々に、大変申し訳ないことをしてしまった。
その混乱のおかげで私のテンションはすっかり上がって、フラフラだった身体も朝まで持ちこたえたのだが、次回に向けての反省点は多し。
ただ、上映自体は十分堪能していただけたのではないかと思う。
映画の持っている可能性は、その映画の中にもあると同時に、それを見る私たちの中にもあるのだというこをと、分かっていただけたらと思う。
その意味で、映画は生き物なのだ。
いずれにしても、見られなかった方々のためにも、次回からはもうちょっといいやり方を考えたい。
ただまあ、バウスとboidがそんなきちんとしたことをやれるわけはない、というか、我々はそれなりにきちんとやっているつもりなのだが、こちらの「きちんと」の基準があまりに低い(笑)。
ということだけは承知しておいていただきたい。
ただしその分、その場ではあれこれ責任持って対応するので、何かあったら、boidやバウスへメールでもいいし、その場でも直接スタッフに声をかけていただきたい。
後付のいい訳ではあるが、バウス=boidの爆音ナイトは、このコンビニエンスな時代に多少の不便さといい加減さを実感できるいい機会だと思っていただきたい。
とにかくその場でアクションを起こしていただければ、こちらはそれに反応する準備は出来ている、ということだけは分かって欲しい。
まあ、あれ以上の入場は、物理的にどうにもならなかったのではあるが・・・
次回は4月の爆音青山=ダウザー・ナイト。
バウスのスケジュールが決まり次第、日程は発表する。
レイト上映もやる場合、昼間の上映作品の終了時間のことなどがあり、昼作品の上映が固定してこないと日程を発表できないのである。
内容の方はだいたい決まってきていて、爆音『エリ・エリ・レマサバクタニ』をレイト枠で1週間。
初日にはオールナイトをやり、ダウザー関連の青山作品(フィルムではなくビデオ作品の方)の上映と、東京では何年ぶりかのダウザーのライヴを予定しているのだが、これは決定ではない。
ダウザーにはなんとかしてライヴをやってもらいたくて、現在交渉中。
『月の砂漠』以降の青山作品のすべての音響・音楽を手がけているダウザー=長島寛幸の現在の姿を間近に見ることで、この数年間の彼らの作業とその成果を、「手触り」と言ったらいいだろうか、身体的な感触と共に、感じ取ってもらいたいと思っているのだ。
とはいえ、バウスのスケジュールが決まらないと、彼らの都合もつかず、また、旅費・滞在費など、こちらの資金面の問題その他あれこれがあり、果たしてどうなるか。
上映作品も、1本、本当に貴重な作品をできないかと交渉している。
こちらは、ダウザー・ライヴより可能性はずっと低く、しかしありがたいことに関係者が奮闘中。
ただ、それができない可能性の方がかなり大きいので、では代わりに何をするか、その判断のタイムリミットをいつにするか、という難しい問題が立ちはだかっている。
『ハート・オブ・ゴールド』もそうなのだが、ひとつの映画を上映するまで、本当に大変である。
多くの人が劇場にやってきてくれることが、それらの励みになる。
私としては、なかなか公開の目処が立たない『こおろぎ』のいい形での公開をひたすら祈るばかり。
この爆音『エリ・エリ』の企画を、『こおろぎ』公開に向けての、いい援護射撃にできたらと思う。
2月2日(金)
いよいよ明日に迫る初日とオールナイト。
嫌なものである。
どちらもそれなりの反応は聞こえてくるのだが、それでも、やはりダメだった、という屈辱のシーンが頭に浮かぶ。
こういったことには全然慣れないなあ。
本日は風邪薬でボーッとなった身体を抱えつつ、某所にて某データベース稼働準備のための打ち合わせ。
今回のようなかなり大きなプロジェクトになると、いかにひとつのソースを共有して使い分けるか、そのための使い勝手のよいシステム作り、というのが主眼になる。
それはそれで当然のテーマなのだが、それは裏を返すと、いかに人の手をかけず、臨機応変なその場の判断と責任を負わず、機械的に物事を処理できるか、そのためのシステム作りでもある。
こうやって世界は出来上がっている。
「例外」は、どこにも行く場所がない。
春にboidから発売予定の中原のCDに関して、このところ、何度か問い合わせが来ている。
はっきりしたところで発表しようと思っていたのだが、まだはっきりせず。
一応4月予定。
それに合わせて、ちょっとしたイヴェントも企画中。
中原も準備に入った(と思う)。
そんな具合なので、まあ、気長に待って下さい。
2月1日(木)
朝から微熱有り。
爆音やら事務所やらでついテンションが上がりすぎたためか。
悪寒と頭痛で行く予定だった試写をキャンセル。
風邪薬を飲みつつ、自宅作業。
とはいえ、夜は爆音調整3日目。
今回ばかりはあっさりと帰ってくるつもりでいたのだが、やり始めると、そうも行かず。
というか、やはり普通の映画こそ爆音でやるべき、というのを再認識。
音楽映画の楽しみとはまったく別の世界が広がる。
『ガルシアの首』は5.1チャンネルの素材で、音の方は安心していたのだが、高音と低音にノイズが入っていて、おそらく爆音にしなければ気にならないものなのだろうが、爆音だとそうは行かない。
調整の結果ノイズは軽減されて、後半の銃撃戦はそりゃあもう、この音で見なきゃ、という感じに。
ノイズの方は、画面に映っていないどこかから、死者たちのうごめきが聞こえてくる、というふうにでも解釈して見ていただけたらと思う。
そしてもう1本の作品は、これがほとんど音調整の必要なしで、完全なる爆音対応。
4月には爆音『エリ、エリ』をやるのだが、それへの興味も広げてくれる作品。
いやあ、これは凄い。
この作品を選んだ中原からも、心配して電話が入ってきたのだが、全く心配の必要なし。
風邪も吹き飛ぶ。
しかし、3日のオールナイトは、本当にヴァラエティに富み、爆音の醍醐味を満喫できる一夜となる。
一気に世界が広がる。
一人でも多くの人を、この世界に引きずり込みたいのだが、そのためにも3日に来場を予定している方々には、自分だけでなく一人でも多くの友人・知人に声をかけていただきたい。
だって、疲れ切っているバウスのスタッフも、熱のある私も、深夜になって俄然元気になりニコニコしているんだから。
身体が喜んでいるのがはっきり分かる、そんな映画と音をたった2300円で味わえるなんて、滅多にあることじゃない。