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「オールディーズの途方もない感じを歌えたら」 西岡由美子インタヴュー

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Photo:K(Longtail Spangle)

子供の頃、“ミスタードーナツ”でオールディーズがずっと流れていたんですけど、あの感じが好きだったんです。どの曲が誰の曲なのかもわからない、どれだけの曲が流れているのかもわからない、でも、ここで流れていない曲もいっぱいあるんだっていう……その途方もない感じがすごく好きだった。あの感覚は求めていますね。

聴いている人が主役になれる音楽を作りたいんです。聴いた人が自分のことを歌われているみたいだと思うような音楽。私がどういう人で何を考えているかが想像できるのではなくて、デートしている最中にふと『いまムーディーな曲がかかってよかったな』って思われるような、そういう曲が作れたらいいなって思います。

とにかく私は3コードのロックンロールとか、コード数の少ない簡単なロックがすごく好きで、そういう音楽に並々ならぬ執着があるんです。そして性格が幼稚。それは長所でもあり短所でもあるんですけど、あえてその幼児性を謳歌しようと。だからまず、「幼稚で、3コードのロックンロールだ!」ってことで(Americoを)始めました。

神代辰巳の『悶絶!! どんでん返し』(77) っていう映画がすごい好きなんですけど、あの主人公にすごい共感するんですよ。あの人の場合、ホモセクシャルのセックスを知ったことによって変わったわけですけど、私はロックンロールを知ったことによって自分の人生は変わったんだっていう気持ちがあって。あの主人公は東大出のエリートで、ホモセクシュアルに目覚めたことで女装してしまうっていうすごいわかりやすい変化なんですけど、ロックンロールというのも、それぐらい人を大きく変えてしまう力があると私は信じているんですよね。

[2008年9月(談)]