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ヘア・スタイリスティックス Live in America レビューその1

Hair Stylistics a.k.a. 中原昌也 TOP
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@The Echo in L.A. / 2008.08.14.
Mike Kelley(前方)、中原昌也(右奥)

木曜(14日)の夜、マイク・ケリー、ポール・マッカーシー、ナカハラ・マサヤの3人がThe Echoでアート・アタック・ノイズ・フルクサス・フリーク・アウト・ライブを披露した。イベントはRoyal/Tで今週から開催される‘All of this is Melting Away’展のオープニングを飾るものだ。

フィードバック音、内臓に響くうねり、悲鳴、破壊的なひずみ、奇怪なトリップ音、ケリー、マッカーシー、ナカハラは、約1時間にわたり次々と音のレイヤーを炸裂させた。白く熱い超新星が脳内の未踏のひだを直撃するかのような音。ミキシング・ボードの裏には無数のコードが這い回り、ナカハラは叫びをあげながら幾度もThe Echoに湿った空気を注入しては、無感動な表情でボードに戻る。マイクといくつものエフェクターを乗せたテーブルを前に、足元に置いた2本のギターを踏みつけ唸り声を出し続けるマッカーシーはアシッドの夢を見た悪魔のサンタクロースさながらだ。

ケリーは足元のコードの海、ビニール管、空箱、エフェクト・ボックスの上でかがみこみ、謎めき、湿ったエレクトリック・ノイズを搾り出すシャーマンだ。マッカーシーが時折、フライドチキンの白いバーレルのようなものの底に開いた穴越しに、叫び、祈り、語る。が、その声はもはや認識できない。3人の作り出す混沌の持続音の世界は幻覚的であり、同時に生々しさが感じられる。パフォーマンスが始まってわずか数分、いかにも金持ち風の客が席を立ち、ほどなくいわゆるトレンディ系のグループが耐えられずに出口に向かった。こいつらはわかってない、と言いたげに?いや、彼らは目の前のフリークス達から逃げ出したのだ!

パフォーマンスの途中、耳をつんざく音の波がわずかに小さくなり、ケリーは籐でできたバスケットを振り回しながら不気味に微笑む。タツノオトシゴの形をしたマラカスを鳴らし、ケリーはマイクに向かい囁く。継続するものは何もなく、すべてが流動的だ。幼年時代、悪夢、ムーブメント。この種のパフォーマンスは数秒とて耐えられないか、身体中のあらゆる細胞がそれを受容するか、どちらかだろう。木曜の夜、流れ行くひと時、ケリー、マッカーシー、ナカハラのソニック・アート・アタックは無の背後に消え行く空気を捉え、振動させ、充電させた。

LAist.com (August 17, 2008)
翻訳:安斎儒理