MOVIE
6/12 音楽家・渡邊琢磨初監督作品『ECTO』先行配信&劇場公開!
音楽家・渡邊琢磨初監督作品『ECTO』先行配信&劇場公開!

音楽家・渡邊琢磨の初監督作『ECTO』が、劇場公開に先駆けオンラインでの期間限定となる先行配信を開始した。現在はオンライン映画館「アップリンク・クラウド」にて期間限定で独占配信中。今秋には劇場公開も決定している。これまで全国各地でイベント上映が行われてきた本作だが、今回はあらたに音響のポスプロや再編集を行った新バージョンでの配信&公開となる。劇場公開時には染谷将太監督の短編『清澄』(15)も併映される。

 

音楽家として国内外で活躍し、冨永昌敬監督『ローリング』(15)、吉田大八監督『美しい星』(17)など多数の映画音楽を手掛けてきた渡邊琢磨が、監督・脚本・編集・音楽を務めたアンビエントホラー『ECTO』。ある植物園を舞台に不条理な事物が点在する世界(冥界)を彷徨う登場人物たちを描く。

出演者には、染谷将太、川瀬陽太、佐津川愛美、と多数の出演実績を持つ俳優が揃い踏み。抽象場面をBjorkとのコラボレートやPerfumeの映像演出で知られるTAKCOM、撮影を『きみの鳥はうたえる』(18)、『宮本から君へ』(19)の四宮秀俊が手がけている。

 

渡邊琢磨が音楽を手掛けた染谷将太監督の短編『清澄』(15)のスピンオフ作品として着想された本作。作中、ヴァルター・ベンヤミンやガストン・バシュラールの言葉が、霊体の会話として引用・カットアップされ、弦楽の音や環境音はデジタル加工され変容していく。

 

boid・樋口泰人による新レーベル“VOICE OF GHOST”の第1回配給作品となる本作。これまで水戸芸術館、YCAM爆音映画祭、恵比寿映像祭などで弦楽生演奏付でのイベント上映、京都みなみ会館での期間限定上映が行われてきたが、今回は配信版、劇場版ともに、それぞれあらたに音響のポスプロや再編集を行った新バージョンでの上映となる。また劇場公開時には、染谷将太監督の短編『清澄』(15)の併映も予定している。

 

<配信上映> 期間限定
配信期間:2020/6/12(金)12:00~7/2(木)23:59
配信プラットフォーム:アップリンク・クラウド
作品ページ: www.uplink.co.jp/cloud/features/2665/

 

<劇場公開>
今秋アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
最新情報はboidのHPや各劇場HPにて随時告知いたします。

 


<作品情報>
『ECTO』(エクト)
2019/43分
出演:染谷将太 川瀬陽太/ 佐津川愛美
監督・脚本・編集・音楽・効果:渡邊琢磨/抽象場面監督:TAKCOM/撮影:四宮秀俊/照明:秋山恵二郎/衣装:エドストローム淑子/特殊効果:伊東篤宏/抽象場面VFX:木村和正/録音:山口宣大/音響:中村督/監督助手:平島悠三/助監督:上野修平/制作:三好安洋/プロデューサー:西ケ谷寿一/製作:水戸芸術館ACM劇場
配給:boid/VOICE OF GHOST
『ECTO』© 2019 MITO ARTS FOUNDATION

 

<あらすじ>
僻遠にある植物園内を徘徊するエクト(染谷将太)は、自身の存在に違和感を持ち、ここを「冥界」だと断言する男(川瀬陽太)に不信感を抱いていた。ある日、植物園に勤める研究員(佐津川愛美)とエクトが邂逅し、事態は思いもよらぬ展開に―。

 


 

<出演者コメント>
◆染谷将太
琢磨さんのあの秘密基地のような自宅から出発したこの世の外へと旅立つ映画。音が画になり、画が音となる。この夏に1番ふさわしい映画です。海外旅行よりもはるか遠くに行ける作品です。あっつい夏の中、冷たさとフツフツと燃えてくる生命力の根源を感じて欲しいです。渡邊琢磨の「ECTO」の世界へ是非いらしてください。

 

◆川瀬陽太
ウィルスで世界が揺れた今、映画、音楽、表現の世界もこれからの形態を問われている。
上映+演奏が基本だった『ECTO』もこれから様々な姿であなたを侵食するつもりだ。楽しんで欲しい。

 

◆佐津川愛美
「ECTO」をより広く沢山の方に観て頂ける機会を頂き、嬉しく思います。
きっと、出会ったことのない「映画体験」になるのではないでしょうか。
渡邊琢磨ワールドをこれから体験出来る皆さんが、羨ましいです。

 

◎併映作品 ※劇場公開時のみ※
『清澄』 2015/10分
出演:染谷将太、川瀬陽太
監督・脚本:染谷将太/撮影:佐々木靖之/撮影助手:下川龍一/録音:高田伸也/音楽:渡邊琢磨/編集:横山昌吾/プロデューサー:金林剛

 


boid新レーベル「VOICE OF GHOST」とは
第2次世界大戦中の1942年、アメリカは対戦国のドイツや日本向けに別世界の声を伝える番組VOICE OF AMERICAをスタートさせた。戦後はソ連向けとなりそして今も全世界に向けてそれは発信されている。イギリスのバンド、キャバレー・ヴォルテールがそのラジオ放送をコラージュして作り上げたアルバム『The Voice Of America』がリリースされたのは1980年のこと。それは「ロックの死」以降のポップミュージックの中でその「死」を、つまり永遠の現在と未来を生きる者たちの幽かな声を世界中に伝えることになった。それから40年。VOICE OF GHOSTはさらに幽かにとぎれとぎれとなった死なない死者たちの声を聴きとりこの現実に送り出すレーベルとして生まれた。どこにでもあるにもかかわらず常に不在であるしかない何かとわれわれの震える肌と常に空振りし続ける揺れる視線を結ぶ頼りないメディアとして、VOICE OF GHOSTは小さな音と強い願いをでたらめに吐き出し続ける。