

リム・カーワイ、映画の中の場所の力を語る ~旅とロケハンと脚本
すでに長編11作を数えるリム・カーワイの映画の中では、そこにとらえられた空間と時間が思わぬ物語を語り始めます。
脚本はあるときもあるしないときもある。
いずれにしてもそれは、リム・カーワイという個人の中で想定された物語ではないように思えます。
「リム・カーワイ」という移動する増幅器のようなものが受け取った「場所」からの微かな信号が「リム・カーワイ』という変換器の中を通ることによって現れた物語……。
そんなことも言いたくなるような、どこか人間的な視界を超えた広がりを見せるそれは、われわれを未知の場所へと連れ去ることになります。
今回、下北沢K2における特集上映とboid paperの特集号の刊行を機に、そんなリム・カーワイ映画の場所と時間と物語について語るイヴェントを企画しました。
2026年に撮影されるはずの最新作を前に、リム・カーワイは2週間ほどのオーストラリアでのロケハンを終えたばかり。
そこから何を受け取り、彼の中で何が変わり、結果的に何が生まれたのか、あるいは生まれようとしているのか。
そんなリム・カーワイの物語づくりの詳細が浮かび上がる時間になるはずです。
場所:下北現像所(下北沢ボーナス・トラック内)
時間:16時開場/16時15分開始/17時45分終了
料金:2,500円
予約: https://peatix.com/event/4926796
※boid paper Vol.3 リム・カーワイ特集号、ワンドリンク付き
出演:リム・カーワイ
聞き手:樋口泰人
シモキタエキマエ シネマK2にて
https://k2-cinema.com/event/title/658
LINE UP
『アフター・オール・ディーズ・イヤーズ』(10)
『マジック&ロス』(10)
『新世界の夜明け』(11)
『Fly Me To Minami 恋するミナミ』(13)
『どこでもない、ここしかない』(18)
『いつか、どこかで』(19)
『COME & GO カム・アンド・ゴー』(20)
『あなたの微笑み』(22)
『ディス・マジック・モーメント』(23)
『すべて、至るところにある』(24)
3月20日発売
定価:1,800円(税込)
“シネマ・ドリフター”を自称する日本在住のマレーシア国籍の映画監督リム・カーワイ。
北京、香港、日本、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、セルビア、北マケドニアなど世界中の思わぬ場所を思わぬ視線でとらえたその映画は、常にわれわれを驚かせ、固まった思考を解きほぐし、新たな視界を与えてくれる。
そんな刺激に満ちたリム・カーワイ映画の面白さと興奮を10人の書き手が言葉にし、6万字に及ぶ超ロング・インタビューがその人生と旅と映画作りを語り尽くす。
<執筆者>
相田冬二、井戸沼紀美、ヴィヴィアン佐藤、川口敦子、五所純子、筒井武文、暉峻創三、濱口竜介、三宅唱、山﨑紀子(シネ・ヌーヴォ支配人)
<目次>
【共有なき者たちの共和国 リム・カーワイ インタビュー】
・偶然を必然に変える――『どこでもない、ここしかない』『いつか、どこかで』
・Everytime, Everywhere――『カム・アンド・ゴー』『あなたの微笑み』『ディス・マジック・モーメント』『すべて、至るところにある』
・Before All These Years――子供時代~日本・中国への留学
・北京流れ者と実現されなかった夢――初期短編4作、『アフター・オール・ディーズ・イヤーズ』
・ここではないどこかで――『マジック&ロス』『新世界の夜明け』『恋するミナミ』『深秋の愛』
(聞き手・構成=樋口泰人、作品解説=千浦僚、黒岩幹子)
【寄稿】
相田冬二 「それから…」に始まり「それから…」に続く――リム・カーワイの未来
ヴィヴィアン佐藤 ざわつく空間、蘇生する身体――位相の異なるものたちの邂逅
筒井武文 三部作の映画作家 リム・カーワイの旅
山﨑紀子(シネ・ヌーヴォ支配人) リムについて
五所純子 四つの断片とその余波
濱口竜介 After all these years… そして今
暉峻創三 リム・カーワイと大阪
川口敦子 『深秋の愛』に見る映画魂の振幅
三宅 唱 リム・カーワイと斉藤陽一郎
井戸沼紀美 連載「ぱたりラップトップ」番外編:『ディス・マジック・モーメント』追体験記?